二月ともなるといろいろなところで早や『お雛様展』が始まっています。

雛遊び、桃の節句と聞くだけでなんとなく春めきますが、まだまだ外は寒いようです。桃の花のつぼみもままだ固く、それでも暖かく変わろうとする気配が感じられ、ほんの少しずつですが木の芽、草の芽も見えだし、花屋さんの温室栽培の桃はすでに満開で華やいでいます。

わがギャラリーさとうでも、先週二人の女性人形作家による古布や樹脂粘土による『人形展』を先週すませたばかりです。二人の女性作家による雛を中心とした作品展も賑やかに華やいでいました。二人の人形作家というのは六十歳台の女性。お二人ともにご主人あり子供もあるという。台所仕事のあいま、育児のあいまを上手に使って、自分のやりたいことや、作ってみたいものを創作し続け、今に至ったと語る彼女たちの目は輝いていました。長い年月をひたすら創作にうちこんできた女性のみが持つ輝きかもしれないと思いました。現実という大きな壁にぶつかり、その苦難を何とか乗り越える中で、さまざまな体験を重ね創作力を豊かにしながらの生活はきっと生きる上で大切なことをたくさん学ばれたのではないでしょうか。自信のようなものが感じられました。

そんな二人の人形展が済みますと、今度は若い二十代なかばの女性の『ほんわり・ガラス展』が始まりました。タイトル通り、ほんわりした色彩とアンテーク風な「ホヤ」は見る人に懐かしさや温かさを感じさせていました。そして若い作家からは生きる自信というよりも、これからの様々な未知の経験を経て創作に臨もうとする澄んだ初々しい瞳に魅せられました。

とても色彩感覚のいい将来性のある作家と思えましたが、話をお聞きすると大学院まで奨学金で過ごしたので、経済的な事情からいったん就職し余暇に細々と作り続けますと話しておいででした。「まだまだ若いのだから大丈夫。人生は長いのだから」といつものように八十歳の年寄りの説教がましい話が始まりました。「人生の節々の選択をご自分の意志で決め、自分で納得のできる生き方をしなさいね。そうしたら後悔はしないはずよ」なんって。

こんな風にギャラリーの二月は早春の満開の桃のように華やかに、満開の梅のように凛と愛らしく、見て頂く人たちにもそれぞれに何らかの楽しさや感動を感じて頂けたと思います。

さて次の三月は『田中茂雄・陶展』と『光後明人・輪島明子ガラス工芸展』です。どんな作品が届くかしら、期待で胸がふくらんできます。