02一年中で一番寒いのは二月。
その二月も二十日を過ぎるころになると早や春の気配を感じるようになります。

我が家の狭庭の手水鉢にメジロやスズメなどが水浴びにやってくる様子はとても可愛らしく春を感じさせてくれます。
また折からの「春一番」が吹き荒れ自然の厳しさも感じさせてくれますが、そのあとは「三寒四温」で、冬の名残と春の兆しが往ったり戻ったりしながら徐々に春らしさをましてくることでしょう。

ところが近頃は地球温暖化のせいか天候がとても不順になり急に冷え込んだり暖かくなり、予測よりも早く桜が咲いたというニュースも聞こえてくる始末です。
何はともあれ厳しい冬を越え、ようやく訪れた暖かな優しい日差しほど愛おしいものはありません。

そんな春の気配に誘われたのと、娘の車での誘いもあって、重い腰を上げ神戸のポートピアホテル行きを決めました。親しくお付き合いをさせていただいている九谷焼作家、長谷川紀代さんの喜寿記念作陶展が開催されているからです。 途中山陽自動車道から見える山々は冬芽が大きく膨らんできたのでしょうか、所どころ薄いピンクいろを呈し春の気配を漂わせていました。

ホテル内の会場には満開の枝垂れ桜を描いた大皿、中皿に描かれたあやめ、朱赤の地に線描きの梅をあしらった湯呑などなど、九谷らしい色彩で力強くあでやかに描かれた作品がずらりと陳列。
春の気配を通り過ぎ、春らんまんといった風情でした。とても喜寿をお迎えになった作家と思えないほど力強く、長い歳月をたくましく生き抜かれただけに明るくおおらかな作品でした。
ふと思ったのです。春を感じる心は楽しいからきっと長谷川さんの想像力や創作意欲が一段と高まったのかもしれない。だからこんなに素適な作品ができあがったのだろうと。

それはさておき、「ギャラリーさとう」でも来年の新春一月に《梅花展》と銘打つて長谷川先生の九谷焼作陶展を開いて、早々に春の気配を呼び込んでみたいと思いながら帰途につきました。